愛知県・名古屋・中川区のはり灸マッサージ治療院、ひらせ鍼灸院

2008年3月2日、愛知県鍼灸師会の「青年鍼灸師に贈る講習会〜開業鍼灸師として行きぬくために」を受講しました。

今春鍼灸専門学校を卒業する人たち対象の講座でしたが、既に開業している私たちにもとても勉強になる内容でした。

なかでも、特別講演「新医療人へのメッセージ〜いのちを見つめる=ホスピスの現場より」と題する、豊橋ホスピスを考える会会長、医学博士、佐藤健先生のお話は、「ホスピスは、末期がんの患者さんが安らかに最期を迎える場所」というイメージを一新させるものでした。

佐藤先生は、「ホスピスには三種類の入院がある」とおっしゃっていました。

一つ目の入院は、ホスピスという所がどんな所かを理解し、痛みをコントロールすることが目的。痛みのコントロールができたら、退院し、また痛みがひどくなったら入院して薬の量や種類を変える。

二つ目は、介護している家族に休んでもらうための入院。

三つ目は、最後に自宅では痛みのコントロールができなくなったときの入院。

痛みをコントロールできれば、充分自宅養養や旅行もできるというお話を、事例を交えてお話下さいました。旅先から電話がかかってきたので「がんの九変か」と思ったら「骨折して入院した!」という方もいらっしゃったそうです。

鍼灸治療は、沈痛効果に優れています。そして、きわめて副作用が少ない治療法です。しかし、痛みが止まるとそれだけで治ったような気になって、運動やリハビリをしなくなってしまわれる患者さんもいらっしゃるので、今まで私は沈痛だけを目的とする鍼灸治療には消極的でした。

上の旅行先でのがん患者さんの骨折の原因は、モルヒネにより骨粗鬆症になっていたためではないか、と佐藤先生はおっしゃっていました。

今回の講座を受講し、私は、がんに限らず、副作用が少ない鍼灸治療によって、強い薬の量を減らし、患者さんたちに充実した日々を過ごしていただけるよう、もっともっと勉強させていただきたいと思いました。


ひらせ鍼灸院のトップページに戻る