2008年3月16日、現代鍼灸手技療法研究会の例会で、「心のケア」について勉強しました。
講師は、こころの相談室DD夙川代表 臨床心理士 田中櫻子先生
田中先生は、うつの患者さんの変化について、洗面器に例えて説明して下さいました。洗面器にポタッポタッと水が溜るのにはすごく時間がかかりますよね。でも、もう少しで一杯になりそうになると、うつの患者さんはすごく頑張ってしまうそうです。 そのとき、洗面器が引っくりかえったような状況になると、エネルギーが急になくなってしまい、「頑張ったけどやっぱりダメだったんだ」とブルーになってしまう。 そういう繰り返しでうつは治って行くのだそうです。
このような例えで病状の変化をお医者さんが説明して下さればいいのですが、、きちんと説明して下さるお医者さんは少ないと田中先生はおっしゃっていました。
うつの人は、少し元気になって、エネルギーが貯えられてきたころに自殺することが多いのだそうです。
うつの人に関わるときは、励ましてはいけないとか、外出や気分転換を無理強いしてはいけないという話はよく耳にすると思います。
私たち鍼灸マッサージ師がさせていただけることとしては、心身の不調を取り除いて差し上げることが中心になると思います。
お医者さんはうつ病の人のところに往診することは少ないので、保健師さんやカウンセラーとの連携も大切だということがわかりました。ひらせ鍼灸院に来院される患者さんの中にも、心療内科に通院しているとおっしゃる方はいらっしゃいますが、カウンセリングを受けたことがあるという方は少ないようです。
今まで私は、勉強会で外出する日でも、「早朝や帰宅後でもよければ」と、可能な限り、患者さんに治療させていただいてきました。しかし、心のケアが必要な患者さんに対しては、時間と場所をきちんと決めて向き合うことが大切だということを今回の講義で学ぶことができました。
それから、相談に乗っても後味が悪い、なかなか話を切り上げてもらえないという人の場合は、うつよりも人格障害の可能性もあるので注意が必要ということでした。
私たち鍼灸マッサージ師にとっての仕入れは、勉強会に参加することです。「ここまで技術を身につけたからもう大丈夫」という日は永遠に来ないでしょう。これからもより早く患者さんに治っていただけるよう、勉強を続けたいと思います。