2000年4月より、介護保険制度が始まりました。
介護という問題を社会全体で考え、みんなで支えあおうという目的でスタートしたわけですが、本音は、増え続ける医療費対策として、「介護」という名目でお金を集めれば批判も少ないだろうということだと思います。
私が介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得するときに調査にご協力いただいた方は、リウマチでほぼ寝たきりの方でした。
月58,000円の年金収入だけで生活してらっしゃいましたが、介護保険料が年金から天引きされ、今まで無料だったホームヘルパーの派遣や訪問看護にも一割の負担がかかるようになりました。
その方の場合、介護保険から月6万円程のサービスを受けられるのですが、一部負担金を払うことができないため、ヘルパーさんや看護婦さんに来ていただく回数を減らすしかありませんでした。
生活保護を受ければ生活は今より楽になると思いますが、今住んでらっしゃるお家を失いたくない、自分の城を守りたいというご意思で必死に生きてらっしゃいます。
住宅改修も、名古屋市の場合は福祉制度では百万円までの補助がありましたが、介護保険では20万円になってしまいました。
「消費税(最初は売上税)は福祉目的税にすると言われていたのに、いったいどうなってしまったのでしょうか。
ホームヘルパーの数が足りないということで、福祉の専門学校もたくさん開設されました。
しかし、家事援助のように身体に触れない介護はしてもいいけれど、おむつを換えたり実際に買い物に同行したりするのは嫌だというヘルパーさんもいらっしゃるようです。
先日、ホームヘルパーのスキルアップのための講習に協力してほしいというお話がありましたが、視覚障害者をどう手引きすればいいのかご存知ない講師の方もいらっしゃって驚きました。
高齢になると段々視力が低下しますので、どのようにしてガイドしてもらえれば安心か、ヘルパーさんには知っておいてほしいなあと思いました。
さて、このページをお読みの皆さんは、おむつをつけたまま一日過ごし、排尿することはできるでしょうか。
数時間なら、私も我慢してしまうかもしれません。