当院の患者様がセカンドオピニオンで診察を受けたお医者様から言われたと教えてくださった言葉です。

お医者様によって、考え方や治療方針が違うのは当たり前です。

うつ病のお薬も、第4世代まであるようですし、漢方薬を処方されるお医者様もいらっしゃるでしょう。

鍼灸治療も、神経や筋肉、血管などを刺激する西洋医学的アプローチと、脈を診て気血を整える東洋医学的アプローチがあります。

私は西洋医学的な治療は否定しません。風邪を引いたときは薬も飲みますし、打ち身で腫れたときは湿布もします。切り傷があれば薬も塗りますし、消毒薬で肌が荒れるので、 皮膚科でお薬も頂いています。喘息の患者さんの中にアトピー性皮膚炎の人が多いように、東洋医学では肺系が皮膚を司っていると言われていますが、西洋医学の軟膏を併用したほうがいいに決まっています。

同業者の中には「薬なんて毒だからやめちまえ。おれに任せとけ」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、私は患者さんに早く楽になっていただきたいので、病院にも通院しつつ、鍼灸治療も受けていただきたいと思っています。

ただ、「漢方薬なら副作用がないからいいだろう」「栄養ドリンクや健康食品は栄養補給するものだから大丈夫だろう」「頭痛がひどいけど、子供用の市販薬だから問題ない」と勝手にお医者様から処方された薬を補うように飲んでおられる方もいらっしゃいます。 上記のようなことは、調剤薬局でお薬手帳を提示しても薬剤師さんにもお医者様にも判りませんよね。

頭痛薬や睡眠薬、精神安定剤の類は、依存性があると思います。麻薬と同じように 禁断症状を引き起こします。 お薬は、服用してから効いてくるまでにある程度時間がかかりますし、効果も持続します。眠れないからと夜中に飲むと、起床しても体は眠っているような状態が続くこともあります。

頭痛薬や安定剤のように、対症療法的なお薬は飲まないにこしたことがないと私は思います。しかし、急にやめるのもどうかと思います。お医者様とも相談しつつ、鍼灸治療を併用することで、少しずつお薬を減らし、最終的にはやめられるようなお手伝いができればと思います。

「あちこち行ってみたけど治らなかった」とおっしゃる患者さんは、一度しかその先生の所に行っていない人が多いように思います。鍼灸は手品ではないので、必ず一度の治療で効果が得られるとは限りません。

開業当初「三回は必ず来る。でも効果がなければもう来ない」と言われ、気が引き締まる思いで治療させていただいた患者様がいらっしゃいました。その患者様には気に入っていただけたようで、その後も定期的に通院していただいています。

西洋医学的には信頼関係、東洋医学的には気が合わないと治療が成り立ちません。私もできるだけ気を合わそうと努力していますが、患者様にも自発的なリハビリや健康管理、バランスがよい食事をしていただかないと効果は得られにくいと考えています。

表題の「何を信じますか?誰を信じますか?」には私も同感です。西洋問わず、治療家と患者様との信頼関係が築けてこそ、早く楽になっていただき、健康的に過ごしていただけると思います。

いろいろな先生に診ていただいたり、いろんな療法をお試しになることはいいと思います。でも、ここなら信頼できるという先生を見つけて、治療を受けてください。

方針や考え方が違うこともあると思いますが、この先生なら任せて大丈夫、という先生を見つけたら信頼して定期的に通院してください。

私も、皆様に信頼していただける鍼灸師になれるよう、勉強し、努力致します。


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